ワークライフバランス至上主義

ワークライフバランスの裁きを。

「イリヤの空、UFOの夏」 感想

イリヤの空、UFOの夏」という作品を読み終わりました。

 

kakuyomu.jp

電子書籍で読む前は知らなかったのですけども、今はカクヨムというサイトで無料公開されてるらしいので興味を持ったら読んで、どうぞ。

 

ネタバレを含むかもしれないので「続きを読む」からどうぞ。

 

この作品はセカイ系と呼ばれるジャンルの代表的作品らしいですよ。

セカイ系 - Wikipedia

dic.nicovideo.jp

適当にセカイ系の定義を調べてみると、セカイ系とは自分の「セカイ」を救おうとするお話らしいです。 

突然転校してくる謎の美少女と少年のラブストーリー

 

伊里野が可愛いですよね。寡黙な美少女。ほとんど主人公としか喋らない美少女。話す言葉に漢字が使われず、ひらがなで表記されるところが片言で話している感じを表現できていたと思います。

 

逃避行のシーンの伊里野も可愛かったです。好きな人との逃避行なのでテンションが上がっているのだと思いますが、明るい女の子になっている。もしかして最後の思い出だと知っていたから明るく振る舞っていたのかもしれませんけどね。

 

だからこそ浅羽のセリフが伊里野を傷つけてしまった。そして伊里野の記憶の後退が始まり、浅羽にひどいことを言われたという事実から精神を守るためか浅羽のことを認識できなくなってしまった。

非常に悲しい場面ですよね。「楽しい時間の終わり」を感じました。

新聞部部長の変人、水前寺邦博の園原基地への冒険が終わり、物語から退場するところも終わりに近づいているのだなという感じがして悲しい場面の1つだったと思います。

最後の空母上の伊里野の出撃前の浅羽の告白シーンは素晴らしいなと思います。この告白で伊里野は最終的に「浅羽のためなら死んでもいい」と思って出撃を決意したわけですよ。美しいよね。

世界よりも、人類よりも君の方が大切だ。という考え方は冷静になって功利主義的な考えが浮かびは?ふざけんな?と思うんですけど、物語のクライマックスで伊里野を「死にたくない」から「死んでもいい」に変える告白を見ると、僕の感情がかなり揺さぶられました。

 

伊里野は世界を守るためではなく、浅羽を守るために出撃して死んでしまったのだと思います。

伊里野は死んでしまいましたが、個人的にハッピーエンドだと思います。

伊里野は最後の夏に自分の生きる理由、戦う理由を見つけ出し、浅羽を守るために人生に満足して死んだ。そして世界と人類は救われた。

ハッピーエンドですね。

 

 

 

最後のエピローグは水前寺の「おっくれってるぅーーーー」の使い方が季節の移ろいを表現する素晴らしいセリフですよね。

 

1巻の「おっくれってるぅーーーーー」でUFOの夏が始まり、4巻の「おっくれってるぅーーーーー」でUFOの夏が終わり、新しい季節になることを浅羽たちと一緒に感じることができました。

 

文章表現の上手さや物語のクライマックスの儚さ、そして全4巻という短めの物語であることが少年のひと夏の思い出であること、夏の終わりの喪失感を僕も実感できました。8月~10月くらいに読むのが実際の季節とリンクしているので、より夏の終わりの儚さを感じることができると思いますね。

 

 

 

 

物語と関係ないことですけども

 

イリヤ」と聞いて、個人的に連想するのはFateシリーズのイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。「入谷」という地名を聞いてもFateイリヤが真っ先に連想されるよね。

 

なので、「イリヤの空」というタイトルを見て小学5年生くらいの美少女を想像してました。

まあ、小5の美少女は出てきませんでしたけども。